それでも、オレは周りから浮いていた。
成長と共に魔を寄せ付けてしまう力も強くなり、パワーストーンの数はだんだん増えていく。
この家の長男、しかも一人っ子として生まれ、これだけの霊力を身につけてしまった。
前世で夢見た『学校の先生になって子ども達を守る』というのは、実現できない。
だとしたら、この力を使って、困っている人は老若男女を問わず守れるようになろう。
神職に就くしかないのだから。
そんな時だった。
うちの神社の夏祭りで、真っ黒いオーラを背負った女の子を見かけたのは。
オレが表で動くと、あちこちで騒がれるから、祭りの手伝いはいつも裏方か獅子舞を担当していた。
暑い。獅子舞を被ると特に暑さが身に染みる。
それでも汗だくで獅子の口を動かし、親御さんのご要望に応えて子どもの頭をパクパクしていた。


