「どこの世界に一目ぼれした女の子にそこまでほれこんで結婚したがる王子様がいるの?」
ため息とともに、ベッドで寝返りをしたわたしは、静かに目を閉じた。
眠らなくちゃ。
明日も学校だし、放課後はあのジャラ男から携帯を取り返さなくちゃならないし。
一瞬、うとうとしたわたしの耳に、確かに聞こえたのは男の声。
「......ここにいるのだが」
「こっちにもいますよ、姫」
もう、夢の世界にいるんだ、わたし。
「無視しないで欲しい、聞こえているのだろう?」
「姫、夢ではありませんよ」
ぱっとお布団を跳ねのけて起き上がったわたしが見たものは......!


