異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~

 それからの人生は、なかなか悲惨だった。


 新生児はとにかく眠い。

 色々考えたいのに、腹が満たされ、オムツが綺麗だったら眠ってしまう。

 ああ、心地よい、この腕の中。

 せっかくいい気分で眠っているというのに、背中にひんやりしたものが当たった途端、オレはびっくりして泣き出してしまう。

 いや、泣きたい訳ではない。驚いても泣くしか表現方法がないだけなのだ。

 そのたびにこんな声が聞こえる。

「あああああ~!!またやっちゃった。ホント赤ちゃんって、背中にスイッチでもついているんじゃないの? どうして今までぐっすり眠っていたのにベッドに降ろした途端泣くのかなあ」

 いや、すまんって。オレだって泣いてるうちに目が冴えちゃって眠れなくなるんだよ。

 エンドレス寝かしつけなどと言う試練は、母子両方にとっての修行なのだ。