こうしてわたしは、神社で長期アルバイトをすることになった。
学校には、健斗君のお父さんが『ぜひ欲しい人材だから』と説明してくれて、わたしの家庭環境を知っている担任の先生も味方になってくれたおかげで、特例として認められた。
ポニーテールに赤い袴。
巫女姿のわたしにだまされて、いきなり「彼氏いますか」とか「付き合ってください」なんて言ってくる人が、実はけっこう多い。
その度に健斗君は何かを感じて、社務所から飛び出して助けてくれる。
「うちの巫女さんに手を出すなっ! 彼女はまだ高一なんだぞ」
なんて言いながら、追い払ってくれているのがちょっとおかしい。自分だってまだ高一なのに。頭は修士であっても。
ん? マスター?
やっと気付いた。健斗君とマスターも、やっぱりつながっているんだね。
じゃらじゃらアクセサリーがなくなり、見習い神職姿の彼は、なかなかすっきりとした男前だ。


