「本当だよ。沙也ちゃんのそばにいたら、いつも寄りついて来る魔が来ないんだ。幽体離脱した時だって、悪霊をうまく跳ね返せたのは、沙也ちゃんの力。だから、オレも今日は身軽だろ? マスターに教えてもらった方法もあるし、これからは重たいものを全部外せるかもな」
そういえば、あんなに気になっていたじゃらじゃらアクセサリーがない!
「それじゃあ、あのアクセサリーは?」
確か、イヤリングかピアスかわからないもの、ブレスレット、リング、チョーカーなどなど、大きくてそれぞれカラフルな石がこれでもかっ!とついていたんだけれど。
「全部魔除け。やっぱ神社(うち)から離れると、違った種類の魔がいっぱい寄ってくるみたいでさ。学校は父が寄付のついでに頼んで、敷地内に魔が入り込めない結界を作ってくれているからいいんだけれど、外を歩くときは魔除けがないと大変だったんだ。でも、沙也ちゃんと歩くと、魔が寄りつかないから、こんなに身軽でいられる」
そうだったの!
私、すごく誤解していた!
ただのチャラい男子だと思っていたら、そういうことだったんだ。
でも、私がそのアクセサリー並みの働きをしているとしたら。
「私、もしかしたら健斗君の魔除けとして必要、なの?」
「魔除けとしても、必要だ」
前髪をさらりと揺らして、健斗君が笑う。つられてわたしも笑う。
たとえ魔除けだったとしても、私を必要としてくれる人がいるなんて、うれしいじゃない?
二人でしっかり食べて、幸せ気分を満喫した。こんなにおいしいものがお腹いっぱい食べられて、わたしは世界一の幸せ者かも!


