マスターの素顔


「沙也さん、健斗君。本当にありがとうございました」

「わたしの方こそありがとう! サーヤ姫に会えて良かった。大事なこと、たくさん教えてもらったよ」

「沙也ちゃんはサーヤ姫に、余計な知識をたくさん植え付けてたよな」

「なんか言った?」

 右手をじろりとにらむ。

「......いや、何にも」

「それよりマスター、サーヤ姫を幸せにしてあげて下さいね。浮気なんてしたら......」

 今度はマスターをじろりとにらむ。

「解ってる! どこの世界も、女性は怖いな、健斗」

「そうです。敵に回すととんでもないことになる」


 この二人も実は、結構仲良しになったらしい。

 日中は、四人でいっぱい話した。健斗君は、わたしたちの世界の知識を語り、マスターはシャーマンの知識を伝授していた。

「沙也ちゃん、そろそろ時間だ」