異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~



 いやな予感がするけれど、仕方がない。

 家電からわたしのスマホにかけてみたら案の定。

『あ、サヤちゃん? さっきはどうも。そう、自己紹介まだだったよね? 真崎健斗(まさきけんと)って言うんだ。隆國院(りゅうこくいん)学園(がくえん)高等部一年です。ヨロシク! サヤちゃんの本名は?』

「相馬沙也(そうまさや)です。中央高校一年。そんなことより、スマホを早く返して!」

 ジャラ男に取られたわたしのスマホは、明日、ドーナツ屋さんで返してもらうことになった。


 その夜。いつもだったらベッドの中でウェブ小説を読みながら眠るのだけれど、今夜はそれができないから、昔お気に入りだった絵本を引っ張り出してみた。

 シンデレラなんて、久しぶりに読むかも。


 これもすごい話だよね。

 年頃の王子に結婚する気がないからって、結婚相手を探すために国中の娘を集めたパーティを開くなんて。

 王様は、自分の息子がどこの馬の骨ともわからない娘と結婚しても良かったの?

 だって、その娘の産んだ子どもが、王位継承権第二位とかになっちゃうんでしょ?

 普通は考えるよね、よりよい血筋を残すために、家柄や政略結婚を。

 まあ、シンデレラは落ちぶれていても貴族の娘だったから結果的には良かったんだろうけれど。