α様は毒甘な恋がしたい


 「今朝なんて、脚立にのって屋敷の窓拭きをなさっていましたよね?」

 「オマエ正気か? 高いところから落ちたら、どーすんだ!」

 「あなたが痛い思いをしたら、私の心も痛むんです! それなのにあんな危ないことをして」


 えっと……なぜに?

 さっきまで兄弟ゲンカをしていた2人の熱量の矢が、左右から私に突き刺さっているんですけど。


 ここはちゃんと、自分の気持ちを言葉にしなきゃ!


 「だって思っちゃうんです……申し訳ないなって……」

 「なにに対してだ?」

 「豪華なお屋敷に住まわせてもらっているのに、何もしないのは……ちょっと」


 使用人の方たちばかりが忙しそうに働いていて。

 私もお手伝いしなきゃと、いてもたってもいられなくて。


 「だからって、美心は屋敷の掃除なんてしないでください!」

 「……でも」

 「窓磨いている時間があったら、俺が寝てるベッドにもぐりこめ、バーカ!」