α様は毒甘な恋がしたい



 それにしても双子というものは、お互いを怒り狂わせる特殊能力を備えているんでしょうか?


 「カザミ~~!! きさま~~!!」


 雷斗さんが、見えない怒りの炎を燃えたぎらせてしまいました。


 「なんでオマエは、俺様の邪魔ばっかするんだよ!」


 荒い声をぶつけられても、風弥さんはビビりません。


 「美心が我が家に来た一週間前に、取り決めを交わしたはずですが。自分の部屋に美心を連れ込まないと」


 風弥さんは手で眼鏡を押さえ、面倒くさそうに溜息をひとつ。



 「取り決めはした。確かにした。だがな、時と場合っつーもんがあってだな」

 「雷斗、私たちはアルファなんですよ」

 「だから?」

 「でも美心は違うんです。オメガなんです」

 「バーカ! そういうの人権侵害って言うんだぜ。オメガ差別、断固反対!」