α様は毒甘な恋がしたい



 「昨晩は、私が姫を助けに行って正解でしたね」


 目をアーチ状に変え、ゆったりと微笑んだ風弥さん。


 「美心の瞳に、私が姫を助け出す王子様として映りましたか?」


 甘さたっぷりの低音ボイスをこぼした風弥さんに、雷斗さんは抗議せずにはいられなかったらしい。


 「やっぱりカザミが邪魔したんだな! 昨日の俺様の癒し時間を!」


 長い人差し指を、風弥さんの眼鏡の前に突き出した。



 でも風弥さんはスルー。

 弟の怒りを涼しい顔で無視。

 そして私の両肩に手を置くと、私の上半身が風弥さんと対面になるようにひねってきた。



 「美心、覚えておいてくださいね」


 目の前にクール王子のような微笑み顔が。

 まっ、まぶしい……


 「おっ、覚えておくとは……」