α様は毒甘な恋がしたい



 この匂いは……

 私の大好きな……



「みーこー、聞こえる?」


 祈さんの声だ。


「こっこれは、いったい?」


「フフフ、再現しちゃったわ。オメガちゃん特有の巣作り」


 巣作り?


「オメガは大好きアルファ様の洋服に埋もれると、安心するものでしょ?」


 そっか。

 私は今、戒璃くんの大量のお洋服たちに包まれているんだ。

 だからこんなに、幸せな気分でいられるんだ。



「狭いところにこもるのが大好きな僕がわざわざお店に出向いて、何軒も回って、寝ころんで、一番居心地のいいテントを選んだんだからね」


 めんどくさがり屋の孝里くんが……

 フフフ、嬉しい。

 
「どうですか? 少しは戒璃に会えないさみしさが、ぬぐえましたか?」

「俺様達じゃどーしようもできねーなら、本人使うしかねーもんな」