α様は毒甘な恋がしたい




 この後私は、高級ワンボックスカーの一番後ろのシートに押し込まれた。

 雷斗さんのマネージャーさんが運転席に座っていて、駅前の駐車場で待機をしていたらしい。



 窓にスモークが張ってあるから、外から見られないのは安心だけど。

 雷斗さん、わざわざ私の隣に座らなくてもいいのでは?

 シートが3列もあるのに、なぜ一番後ろの列に?



 肩が当たってますから。

 近寄らないでください。

 離れてください!



「ちゃんとタオルで拭けたか?」

「あっ、シートが濡れちゃってごめんなさい」

「大丈夫だ。雨の撮影のあとに乗り込んでもいいように、防水カバーをかけてあっから」



 えっと、車が走り出しましたけど……



「これからこの車は、どこに?」

「オマエが住んでる施設」


「送ってくださるんですか?」

「バーカ、荷物取りに行くんだよ」

「えっ?」