α様は毒甘な恋がしたい



 私の隣に座ったタキシード姿の戒璃くんは

「確かに、極甘すぎて照れくさいね」と、

 恥ずかしそうに首のうしろをかいているけれど。


 その照れ笑いも、可愛くてカッコいいの。

 本当に大好きでたまらないの。

 バイバイの時間が近づいているなんて、信じたくないな。



 ベンチに並んで座る、私と戒璃くん。
 
 月明かり煌めく、満天の星空の下。

 夜風が私のドレスの裾を、優しく揺らす中。

 戒璃くんが、ギターをゆったりと奏で始めた。

 
 心が癒されるバラード調。

 二人の歌声が、夜の闇に吸い込まれていく。


 ずっとずっと、今夜のことを忘れないからね。

 ギターを膝に乗せ、優しく弦をはじく戒璃くんの綺麗な横顔も。


 まるでプロポーズソング。

 歌詞が極甘すぎるラブソング。

 歌声を溶かすように一緒に口ずさむ、このなんともいえない恥ずかしさも。


 視線を絡め合い、テレの限界にニヤケあってしまう、心臓のドキドキも。

 バクバクも。キュンキュンも。全部全部。


 一生壊れないシャボン玉に詰め込んで、私の心の灯にしていくから。