α様は毒甘な恋がしたい


「もともと俺は、人間と恋をしてはいけなかったんだ。今だってそう。俺が美心のそばに残ったら、ルキの逆鱗に触れ地球が破壊されてしまう。罪のない人の命の火が消されてしまうのは、美心だって嫌でしょ?」


 わかっているよ、そんなこと。

 私一人のワガママで、大勢の人が犠牲になるなんて。

 そんなこと、私は耐えられない。


 でもね……

 戒璃くんと離れるのも、耐えられないの。

 私はこの先ずっと、戒璃くんの隣で無邪気に笑っていたいの。


 桜が躍り舞う春も。

 陽ざしが肌を焦がす夏も。

 黄金のじゅうたんが敷き詰められた秋も。

 舞い降りる雪の花に、体温を奪われてしまう冬も。


 私の隣で、戒璃くんが笑っていて欲しい。

 私の笑顔は、戒璃くんが引き出して欲しい。


 そんなわがままを言ったら、戒璃くんを困らせちゃうよね?

 だから今は、無言で悲しみの雫をこぼさせてください。

 伝えられない『行かないで』を、私の中で昇華できるように。