α様は毒甘な恋がしたい


 嫌だよ。

 やめてよ。


 天界に行っちゃうなんて。

 二度と地球には来てくれないなんて。


 耐えられないの……私が……


 やっと戒璃くんの想いを知ったんだよ。


 両思いだって。

 戒璃くんも私のことを、好きでいてくれたんだって。

 私は今、涙が出るほど嬉しくてたまらないのに。


 悲しみの涙も一緒に流させないでよ。

 私は戒璃くんと一緒にいたくて、たまらないんだから……



「全部、聞かれていたみたいだな」


 鋭く細めたルキさんの目が、私の瞳をさす。


「あとくされないように、ちゃんと縁を切ってから天界に戻ってこい」


 ルキさんは私たちに背を向けたまま手を振り、瞬時にその場から姿を消した。



「美心、聞いてた?」


 困惑気味に眉を下げる戒璃くんに頷き、私は木の陰から立ち上がる。