α様は毒甘な恋がしたい



 本当に申し訳なさそうに謝られてしまい、怒鳴っている時とのギャップに心がざわついてしまう。

 雷斗さんは目にかかるほど長めの前髪をかきあげ、雄っぽい妖艶な声を響かせた。



「みんな騒がせてごめん。今、ミュージックビデオの撮影をしてたんだ」



 これにはギャラリーたちの目が点に。

「本当ですか?」「こんな田舎で?」と、首をかしげている。



「この噴水が、曲のイメージにピッタリでさ」

「うわー嬉しい。ライトくん、この町に来てくれてありがとう!」

「こっちこそお邪魔させてくれてサンキュ。でもさ、噴水トラブルで今回の映像はボツになりそうなんだ」

「えー残念。でも水の勢い、ヤバすぎだったしね」

「それでさ、みんなにお願いなんだけど」

「なに?」

「俺様がここでMVの撮影してたこと、黙っててもらえない?」

「雷斗様に会えたこと、みんなに自慢しちゃダメなの?」