α様は毒甘な恋がしたい


 披露宴会場にいる警察官の無線に、嬉しい報告が続々と舞い込んでくる。

 オークション参加者も、ジャンジャンお縄についているみたいだし。

 監禁されていたオメガたちも、無事に保護されたみたい。


 よかったぁ。

 オメガ売買がらみの、闇オークション事件。

 一件落着だぁ。

 さぁ、帰ろう帰ろう!


 と、なると思ったのに……


 戒璃くんの表情は、なぜか晴れてはいない。

 犯人オーナーと対峙していた時よりも、今の方がキリッと眉を吊り上げている。


「みんなは先に帰っていて」

「戒ちゃん、どうしたの?」

「やり残したことがあるから」


 覚悟を決めたように、唇をギュっ。

 戒璃くんは披露宴会場の外に、出て行ってしまいました。



 何か嫌な予感がする。

 二度と会えないような悪い予感が。


 尾行なんてしちゃダメ。

 そんなこと、頭ではわかっているけれど。

 私の心臓が、せつなさを刻むように震えだし。

 何かを切実に訴えてきて。

 嫌われたら嫌だなと思いながらも、戒璃くんの後をつけてみることに。