α様は毒甘な恋がしたい


 階段を降りきったふたり。

 会場内を優雅に歩く王子様のよう。

 紫の気品ある髪をなびかせる戒璃くんも、普段は美女にしか見えない祈さんも、一国の主のような威圧感を漂わせていて。

 あまりにカッコよすぎて、私の呼吸が止まりそうになる。


 でも……

 私の視線は、恋心とリンクしているみたい。

 どうしてもピントを、大好きな戒璃くんに合わせてしまうんだ。


 私たちの前まで歩いてきた二人。

 ヘッドマイクを外し、テーブルの上に。

 表情を緩めた祈さんが飛び回るカメラを一台手に取り、頬にこすりはじめた。


「キャー、このドローンカメラちゃんたちカワイイ。私たちのために、良く働いてくれたわね」


 えっ?


「私のペットにしたいくらい。愛おしくてたまらないわ」


 このドローンカメラ、祈さんが操っていたの?


 これには闇オークションのオーナーも、黙っていなくて

「このドローンカメラは、このオークションのために作らせた特注品だ! オーナーの俺の指示通り動いていたんだ!」

 オーバーに両手を振って猛抗議。