α様は毒甘な恋がしたい


 ヘッドマイクをつけているから、彼らの声がスピーカーから聞こえてくるんだと思うけれど。

 会場の手前と奥と離れているのに、なぜ私たちとオーナーの会話が聞き取れたんだろう?

 私は首をかしげずにはいられない。


「らせん階段を、二人そろって優雅に降りてきましたよ」


「ここ、お城じゃないんですけどね」と続け、あきれ溜息を吐き出した風弥さん。


「俺様より目立つなっつーの。ピンクのポニーテール握りしめて、ぶん回すぞコラ!」

 雷斗さんは指をボキボキボキ。


「戒璃も戒璃で、イケメン王子のキラキラを無駄にふりまきやがって! まぶしい後光で俺様の目をつぶそうとしてんの、バレバレなんだよ!」

 なぜか臨戦態勢に。


 雷斗さん、戒璃くんはただ息をしているだけ。

 王族と見間違うほどの気品が、勝手にあふれ出てしまうだけ。

 雷斗さんの視覚を奪おうなんて、企んでないと思うけどな……