α様は毒甘な恋がしたい


「オメガがいなくなっちゃうニュースを見るたびに、僕は思っていたんだ! この時代にもまだいるんだって! 自分の快楽のためにオメガを手に入れようとする、気持ち悪いやからが!」

「まさか89盗とゴロビューに、この闇オークションが見つかってしまうとはな」

「僕が今から、この事実を世間にバラす」

「好きにしてくれ。証拠なんてないんだ。俺たちがオメガオークションをしていたなんて、どこにもな」


「フフフ、楽観的なんですね。この闇オークションのオーナー様は」


 会場スピーカーから聞こえてきたのは、祈さんの声だ。


「証拠があるって言ったら、おとなしく手錠をかけられてくれるかしら?」

「誰だ?! どこにいるんだ?!」

 焦りながら360度見回したのは、オーナーだけじゃなく。

 雷斗さん達の後ろに立つ私も、広い披露宴会場内に視線を回す。


 会場の奥。

 らせん階段上の踊り場。

 白いタキシード姿の王子様が二人、肩を並べている。

 戒璃くんと祈さんだ。