α様は毒甘な恋がしたい



「それにしてもオマエ、ドレス着るなら先に言っとけよ」

「さっ、先?」

「地球一可愛すぎなんだよ、バーカ!」


 極甘フレーズをこぼす雷斗さんに、怒鳴られた?


「こんなに麗しいなんて。美心を瞳に映すための、心の準備をさせていただきたかったですね」


 風弥さん。

 胸元に垂れる私の髪をつまんで、キスを落とさないでください。

 画面の向こうのオークション会員の人たちに、見られちゃいますから。


 双子の掛け合いは、緊張感漂うこんな場所でも始まってしまうらしい。

 私たち3人しか聞こえないほどのコソコソ声が、宙を飛び交いだした。


「美心の価値が5000万? 画面に映ってるあいつら全員、目が腐ってんじゃねーの? 目ん玉買って入れなおせっての」

「なんでわからないんでしょうね。そんなはした金で手に入るほど、美心の価値は低くないのに」


 親もいないオメガの私なんて、1円の価値もないのに。