α様は毒甘な恋がしたい


 ……えっ?

 突然私の背中に突き刺さった怒鳴り声。

 聞きなれた俺様声が私の心を包み込んで、涙腺が緩みそうになる。


「俺様達5人がオメガの人身売買を見たっつったら、世界中の奴らは俺様達を信じる。絶対にな!」

「フフフ。私たち56ビューと89盗のファンを合わせたら、この国の人口の何十倍にもなるでしょうしね」


 ひな壇横のドア。

 くぐったのは、真っ白のタキシードをまとった雷斗さんと風弥さん。


 表情筋を引き締め、目と眉をキリッ。

「オマエ邪魔!」

 MCをしていたオークションのオーナーの背中に靴の裏を当て、豪快に一蹴り。

 ひな壇から突き落とされたその男は、頭を床に打ち付けてのびている。


 雷斗さん達はソファ前に立つ私の前に立った。


「無事だったか、美心」

「はい」

「怖い思いをさせてしまいましたね。遅くなって申し訳ありませんでした」


 私の恐怖心を落ち着かせるよう。

 雷斗さんはやんちゃ笑顔を、風弥さんは執事スマイルをこぼしている。