α様は毒甘な恋がしたい


 ひょいっと肩に担がれた私。

 男は、披露宴会場のひな壇にそびえるソファの前へ。


 私をソファに座らせると

「手間をかけさせるな」

 血管が切れそうな怒り顔で、私をギロリ。


 振り返りざま、いい人スマイルを顔にはりつけ、私の前を飛ぶドローンカメラに向かって手もみをはじめた。


「落札者様。ちょーっと凶暴なオメガですが、どうなさいますか? 今ならまだ、キャンセルもできますが。これ以上の特上オメガは、なかなか出会えるものではないかと」

「張り合いがあっていいじゃないか。気に入った。5000万で買おう」

「お買い上げ、ありがとうございます」


 ひぃあ! オメガ売買が成立しちゃった。

 悔しいよ。

 このまま何もせずに、この男の家に監禁されるなんて。

 さっきは失敗しちゃった悪あがきだけど、ワンチャンにかけてもう一度。