『人間の言葉くらいわかるっつーの! 僕を見くびるな、バーカ!』

 『一緒に逃げるよ。こんな地獄から』

 『ハルヒ大好きだよ。バイバイ』




 お願い! 早く逃げて!


「店主が斧を振り上げているの! このままじゃ殺されちゃう!」


 鎖につながれている私なんかのことは、気にしなくていいから!


(こう)くん、イヤァァァァ!!!!!」






 泣き叫びながら、上半身を起こした私。

 大粒の涙がぽろぽろぽろ。


 寝そべっていたソファにしみこんでいき

 はっ、夢だったのか……

 ソファの背もたれに背中を預け、平穏な現実にほっとする。


 ん? 平穏?

 そう言い切って、大丈夫なじゃないような……


 恐る恐る瞳だけをキョロキョロキョロ。