α様は毒甘な恋がしたい



「やっぱりあなた達二人は……とんでもないことを企んでいたのですね……」


 心臓を刺されたかのように動けず、顔を歪める風弥先輩。

 眼鏡の奥の瞳で睨みつけた相手は、ステージに立つ孝里(こうり)くんと(いのり)さんだ。


「ぼっ、僕は……こんなことになるなんて、思ってもいなくて……」


 青ざめた顔で首を振る孝里くんから、視線をずらした雷斗先輩は


「じゃあ九重(ここのえ)祈、お前ひとりの単独テロッつーことでいいんだな!」


 うつ伏せになりながら、苦しそうに声を張り上げている。


「単独テロって素敵な響きね。フフフ、金髪アイドル様の言う通りよ」

「テメー! 聖女笑顔をふりまきながら、愉快犯みたいなことをしやがって!」

「立ち上がることもできない無力な3人に用はないの、私は」

 
 ステージに横たわる八神先輩、五六(ふのぼり)兄弟には目もくれず、孝里くんの前に進んだ祈さん。


「それにしても孝里は悪い子ちゃんだったのね。ショックだわ。私があげたサプリを飲まなかったなんて」


 真っ赤な唇を悪魔っぽく歪めながら、孝里くんに冷ややかな目を突き刺した。