α様は毒甘な恋がしたい


 青ざめた表情の八神先輩が心配なのは、間違いない。

 でも私は、こっちの違和感が募っている。

 私がいるステージ上にも飛んできた、たくさんのシャボン玉たち。


 おかしいよね? 

 シャボン玉って、こんなに長い時間浮遊しないよね?


 うわっ!


 一斉にはじけだした。

 プチプチって。

 講堂中に飛び交う無数のシャボン玉が、一つ残らず全て。




 頭上から雨のように降ってきた、ねっとりとした液体。

「なにこれ、ベタベタする」

「気持ち悪い」

 客席のいたるところから、不快の悲鳴があがっているけれど。

 私も首をかしげずにはいられない。


 100均のシャボン玉は、割れてもこんなベタベタしないよ。

 もっとサラサラした液体のはず。

 ライブ演出用の、割れにくいシャボン玉液なのかな?