α様は毒甘な恋がしたい



 アルファ学園生徒が、いつの間にか一致団結しているこの状況。

 オメガ排除という竜巻みたいな巨大勢力に、私一人の力では立ち向かえない。


 私の考えは、浅はかだったんだ。

 大人気ミュージシャンのライブという場を利用して、自分の想いを届けようとしたけれど。

 オメガ差別をなくそうという私の訴えは、逆効果で。

 潜んでいた【反・オメガ】の声を爆発させる、起爆剤になってしまうなんて……


「オメガは劣等種!」

「この世からいなくなれ!」


 ふくれあがる、生徒たちの叫び声。

 講堂中に響き渡り、アルファの私でさえ心臓がジリジリと痛んでしまう。


 お願い、オメガ差別はやめて!


 声の代わりに、あふれ出した涙。


 誰にも泣き顔を見られたくない。

 カメラにも映りたくない。

 私はうつむき、顔を長い黒髪で隠す。