祈さんの言うとおりだ。
私には、今しかチャンスはない。
89盗と56ビューの人気を利用するみたいで心が痛むけれど……
そんなことは言っていられない。
私たちアルファのように。
普通の生活ができるベータのように。
劣等種と見下されているオメガも、一人の人間として胸を張ってキラキラと生きることができる世界に変えるんだ。
そのためにも、今ここで私が声を張り上げなくちゃ!
覚悟を決めたと同時、体から剥がれ落ちた緊張感。
マイクをぎゅっと握りしめ、一歩前へ私は足を踏み出す。
コンサートホールのような広い客席から突き刺さる、無数の瞳。
恐怖と使命感に揺さぶられるまま、私は声に芯をこめた。
「アルファ学園に転入してきました、2年の七星美心です。今日は歓迎会を開いていただき、本当にありがとうございます」



