α様は毒甘な恋がしたい



 ここで弱さを見せちゃダメだ。

 オロオロなウサギ風にふるまったら、付け込まれてしまう。

 背筋を伸ばして、凛として。



「ひっ、一つ言っておきますけど。私にはアルファの番がいるんです!」

「で?」



 勝ち誇ったような顔をされたけど、ここでひるんじゃダメだ。



「あっ跡は消えちゃったけど、アルファ様に首の後ろをガブッと噛まれたんです。だから私は、彼以外のアルファフェロモンに惑わされることはありません!」

「まぁ、教科書にはそう書いてあるわな」

「彼以外のアルファは、私のオメガフェロモンを感じ取ることすらできないはずです!」



「美心さ、世の常識がすべて正しいって思いこんでないか?」

「えっ?」

「ほんとちょろい奴。そんなんだから、俺様達にいいように利用されるんだよ」



 ……っ、バカにされた。

 悔しい。