α様は毒甘な恋がしたい



 この後――


 準備が完了。

 暗幕オープン。

 ついに、私の歓迎ライブが始まってしまいました。


 オープニングは、89盗と56ビューがステージに並んでのフリートーク。


 大人気ミュージシャン5人で、ステージを占領してくれて良かったのに……

 明らかにお邪魔な私。

 立たされているのは、列のど真ん中。

 89盗と56ビューに挟まれているからだろう。

 客席から飛んでくる視線には、「うらやましい」という嫉妬心が絡まっている。


 うっ、全校生徒の数えきれない視線が……

 冷ややかに光る視線が……私にグサグサ。


 できることなら、今すぐ帰りたい。

 ひとりぼっちで、布団の中に潜り込みたい。

 このライブの主役は私だし、そんな無責任なことはできませんが……



 芸能人5人の中で、聖女様が一番の仕切り屋らしい。

 ツヤ乙女声で、ひたすらしゃべっている。

 ルンルン肩を弾ませ、赤ピンクのゆるふわポニーテールを揺らしながら。

 男性とは思えない麗しさだなぁ。