α様は毒甘な恋がしたい


 ステージを足の裏で踏みつけながら叫ぶ雷斗さん。

 彼を黙らせたのは、スピーカーから流れたチャーミングボイスだった。


「ハーイ、みんなごきげんよう」


 私たちから離れたステージ袖に立つ祈さん。

 マイクを片手に暗幕から顔を出し、客席に晒している。


「もうすぐ転入生歓迎会が始まるわ。アルファ学園のみんな、盛り上がる準備はできてる?」

「イェーイ」

「そのノリ、いいじゃんいいじゃん。でもまだまだね。私の心を躍らせるには、熱気が足らないわ。本番までにシャウトの準備をしておいてね」

「ハーイ」


 いつの間にか始まっっていた、祈さんと爆ノリ生徒たちの掛け合い。


「なーんて言っておきながら。ごめんね、こっちがまだなのよ。ライブの準備」

「ゆっくりでいいですよ!」

「私たち、いくらでも待ちますから!」


 暗幕ごしで生徒たちの表情は見えないけれど。

 椅子から立ち上がって手を振っているんだろうなと、推測できる盛り上がりっぷり。


「みんな優しい。私、感動で涙出ちゃう」

「祈さま、泣かないでー」