α様は毒甘な恋がしたい



「雷斗、美心とは適度な距離を忘れずにですよ」

「なにカザミ、そのダサいスローガンみたいなやつ」

「年中暴走ぎみの猛獣には、いかなる時にも釘を刺しておかないとと思いまして」


「適度な距離? わかってるよ。あの医者がネチネチぐちぐち、何度も何度も忠告してきやがるし」

「それならいいです」

「今んとこは素直に従ってやってるさ。でもな、俺様にも限界っつーもんがあってだな」

「美心のため。そう自分に言い聞かせれば、ある程度のことは我慢できるでしょ?」


「んーん、あぁぁぁ、もう! 正論ぶっ放してくんなよ! こいつのためとか言われたら、お利口に待てを決めこむしかねーよな?」

「せつなくてもどかしいですが、しょうがありませんね」

「あぁぁぁ、俺様の癒しを返せぇぇぇぇ!!」


 両手を上げ、おたけびを上げた雷斗先輩。

 冷静な風弥先輩と怒りまくる雷斗先輩の会話は、まるでコントのよう。

 緊張硬直気味の私を、二人で笑わそうとしてくれている。