瞳の半分以上が涙で隠れてしまうくらい、大粒の涙を流しているハルヒ。
ハルヒの悲痛な叫びを聞き入れず、良いものばかり食べてるんだろうと一目でわかるほどお腹が出ている男の腕に、僕は迷いなく飛びついた。
左右にある尖った牙を、店主の腕に突き刺す。
「っ……、痛いじゃないか! なんだこいつは!」
腕をオーバーに振る店主。
振り落とされないようにしがみつき、隙を見て店主の背中を這う。
肩までたどり着き、今度は思い切り店主の首に噛みついた。
急所に食い込ませた僕の牙。
傷口を広げるようにあごを振り、牙をねじ込ませる。
「うわっ、やめろ! なんだこの凶暴な生き物は!」
どうやら急所を狙えば、人間なんて倒すのは簡単らしい。
激痛に悶えながら、重たそうなお腹を床にぶつけるように倒れこむ店主。
今のうちに、足の鎖用の鍵を探さなきゃ!
ハルヒを逃がしてあげるために!



