α様は毒甘な恋がしたい

 その日を最後に、ハルヒは僕の里には現れなかった。


 僕は待っていたのに。

 ハルヒが喜んでくれるようにたくさんの果物を集めて。

 木の上から人間の集落を眺めて。


 梅雨が明けても……

 晴れの日が1週間以上続いても……




 さらに1か月後。

 どうしてもハルヒに会いたかった僕。

 勢いのまま里を飛び出す。

 途中に立っていた木製の柵の間をすり抜け、人間が住む村に初めて踏み込んだ。


 地を這いながら数日掛けてたどり着いたのは、人で賑わう商店街。

 果物屋やお肉屋さんなどが並ぶ中、異様なお店の前にガヤガヤと人が集まっている。


 地面に這いつくばっているから、店内は見えないな。

 おっと、人間に踏みつけられそうになっちゃった。

 屋根の上に避難、避難。