α様は毒甘な恋がしたい



 それからは、池を眺めながら二人で会話を楽しんだ。

 ハルヒの肩にのっかった僕は、相変わらずの毒舌全開。

 だけどハルヒは、以前とは全く違う。

 泣き言も涙もこぼさず、僕の話に突っ込みを入れては大笑い。


 思ったよ。

 ハルヒが幸せそうに笑うようになってくれてよかったって。

 こんな穏やかな日々、一生続けばいのにって。



「私、そろそろ帰らなきゃ」


 そっか……


「帰れ、帰れ!」


 やだな、本当は。

 ハルヒと離れるの。


 会いたいなんて言えない僕は

「僕もやることだらけで忙しいし」とぼやきながらの、顔プイ。


「いっつも孝くんは、バイバイの時そっけないよね」


 悲しい声が聞こえてきたけれど

 僕の天邪鬼の態度は、今さら解除なんか無理。


「ハルヒがツチノコとして生まれ変わったら、その時は目を見てバイバイしてあげる」

「じゃあなにがなんでも、私はツチノコとして生まれかわらなきゃね」

「好きにすれば。怒られるんじゃないの? 早く帰りなよ」


 僕はそっけない態度のまま短いしっぽを揺らし、ハルヒをシッシとあしらった。