α様は毒甘な恋がしたい


 噴水に突き落としたのも、わざとっていうこと?!

 確かに、私に突進してきたときの状況を思い出すと、おかしなところだらけだったの。


 走りながらくねっと曲がれば、噴水に落ちなかったはずだし。

 ちょっと走る軌道を変えれば、私を巻き込むこともなかっただろうし。



 いや、そんなことより……利用するってなに? 

 私に犯罪チックなことをさせるつもりとか?



 やばいやばい、どうしよう。

 危険は回避するべきだよね?

 逃げるには、ちょっとありきたりな手だけど……



「わっ私、そろそろバイトに行く時間だ。そっそれでは」



 池の外と遮断するように流れている分厚い水の壁を、勢いをつけて突破すれば、なんとか外へ……



「大人気アイドルを噴水の中に置いて、一人で帰るつもりじゃないよな?」

「バイトなんです。シフトに入っているんです。ビショビショのままじゃいけないから、一度施設に戻って、着替えてから……」

「オマエはもう、あのファミレスで働く必要はない!」