α様は毒甘な恋がしたい


「孝くん、久しぶりだね」


 地面にうつ伏せになって、上半身をこれでもかって反らせた僕の前にしゃがみこみ


「今まで孝くんに、たくさん食べ物をもらっちゃったでしょ? 今日は私が、おいしそうな果物を持ってきたんだ。白桃って言うんだけど、知ってるかな?」

 白っぽいピンクっぽい果実を差し出してきたハルヒ。


 僕は声が出ないほど困惑した。

 別人じゃないの?って。


 相変わらず髪はショートだが、綺麗にカットされている。

 頭にティアラを乗せたら、まるで可憐なお姫様のよう。

 あまりに衝撃が強すぎて、このとき僕は伝えられなかった。


 『会いたくてたまらなかったよ』

 雨の雫を見つめながら募らせてきた、せつない恋心も。


 『おいしそうな白桃をありがとう』

 僕に会いに来てくれたことへの、心からの感謝の気持ちも。