α様は毒甘な恋がしたい


 めんどくさがり屋の僕が収穫しておいた果物を、おいしそうに頬ばるハルヒ。

「孝くんがいなかったら、私今頃、おなかがすき過ぎて干物になってたよ」

 涙を流しながら冗談を飛ばすハルヒのことが、僕は大好きでたまらなかったな。




 梅雨シーズンに入った途端、ハルヒに会えない日々が始まってしまった。

 彼女は傘やカッパなんて高価なものを与えられてはいなくて、濡れた服のまま仕事をしたら怒鳴れるかららしいけど。

 雨の日は来ないってわかっていても、僕は毎日待っていたんだ。


 山の中の高い木の登り、ハルヒが暮らす山のふもとを眺めては

 「大丈夫かな? 生きてるかな? 泣いてないかな?」

 心配で瞳を陰らせる日々。



 でも1か月後。

 まだ梅雨時期とは思えないほど、雲一つない快晴の日。

 ハルヒは僕に会いに来てくれたんだ。


 ピカピカのくつを履いて。

 高そうなワンピースを着て。