α様は毒甘な恋がしたい

「ハルヒ、顔が腫れてるけどどうしたの?」


「おかみさんにはたかれたの…… 洗濯物にシワがついてるって……」

「はぁ? 何そいつ! オマエの顔のシワの方が100万倍みにくい!って、丸太を投げつけちゃいなよ!」


 ハルヒが愚痴をこぼすたび、ハルヒの肩の上で体をくねらせながら僕が吠えて。


「なんで人間たちは、オメガを虐待するわけ?」

「何百年も前に、あるオメガがとんでもない罪を犯したんだって」

「罪?」

「王子の婚約者のだったオメガがフェロモンで国中のアルファを誘惑して、国を滅ぼそうとしたって」

「そんなの、オメガを悪者にしたい人が考えた作り話でしょ? 何百年も前ってなに? 今を生きるオメガたちは何も悪いことをしてないじゃん。っていうかその王子、ダサっ。オマエに魅力がないから浮気されたんだよ、バーカバーカバーカ!」

 ハルヒの心の傷を少しでも癒したくて、僕は全力で、ハルヒの耳元で毒舌拡声器になりきっていたんだ。