α様は毒甘な恋がしたい


 今更だけど、こんなことしていいのかな?

 オメガが差別されない世の中を作るためとはいえ、こんなにいい子を傷つけてもいいのかな?


 僕がしようとしていること。

 それは本当に、ハルヒが喜んでくれることなんだろうか?



 うーんと首を傾け、眉をしかめていたけれど

「はい、孝里。ライブの前に飲んでね」

 いのりんの艶っぽい声にハッとして、意識を戻した僕。

 手渡されたものが理解できず、僕はさらに首を傾けた。


「なに、この薬は?」

「薬じゃないわ。ただのサプリよ」

「え? 僕、サプリなんて生まれてから一度も飲んだことないけど」

「今日は必須。私もすでに、同じサプリを飲んだわ」

「いのりん、これ、どんな効果があるの?」

「イライラを鎮めてくれるの」