「いのりん時計見て! もうすぐ午後の授業が終わる時間だよ!」
「ほんとね」
「放課後になったら、生徒たちが講堂に入ってきちゃう。それなのに戒ちゃんも美心ちゃんも、まだ来てない!」
「二人は授業中。私と孝里は、さぼり組でしょ?」
「さぼったんじゃない! 必要な準備をしてるの!」
「フフフ、ポジティブに言うとね」
「神へのおいのりポーズで瞳をウルウルさせて先生にお願いしたら、歓迎会の準備に行かせてくれたよ」
「まぁ私たちの特技よね、おねだりって。でも戒璃は、そういうタイプじゃないでしょ? 優等生の完璧主義者で。授業もこなしてライブも成功させる、いわば超人」
「戒ちゃんだけベタぼめやめて! 僕がダラケ魔人みたいに聞こえちゃう!」
「何を言ってるの? 私は孝里を尊敬しているわ。おねだりは生きていくための、最重要スキルなんだから」
「そうかな?」



