α様は毒甘な恋がしたい



 祈と孝里は56ビュー嫌いだ。

 わざわざコラボライブを企画するなんて、信じがたい。

 今日この公園で、俺と美心を会わせたことといい。

 週明けの学園ライブといい。

 どういう魂胆なんだ?



 浮かばせたくなかったが浮かんでしまった、祈と孝里に対する不信感。

 とんでもないことが起きてしまいそうな予感に、背筋がオーバーに震えあがってしまう。


 やはり美心のことは、他人に任せてはダメだ!

 俺が美心を守り通さないと!

 そのためには……



 美心は今、ベンチに座っている。

 俺は空間をつくらず、美心の隣に腰を下ろした。

「あのね、聞いて!」と、美心に真剣な目を突き刺す。


「美心は覚えていないと思うけど、実は2年半前に……」


「やぁ、久しぶりだな」


 えっ? 


 俺の声を遮るように、背後から聞こえてきた尖り声。


「あいびき中だったか。邪魔をしたのなら謝ってやろうじゃないか。すまなかったな、戒璃」


 いじわるっぽい低音は、まるでネチネチとした蛇のよう。

 ――俺の後ろにいるのは、まさか……