α様は毒甘な恋がしたい


 ハッ!

 恐ろしいことに、気が付いてしまった。

 簡単に想像できてしまう未来地獄絵図が、俺の脳内スクリーンに鮮明に映し出されてしまった。


「……美心って……フリーオメガなの?」


 絶望感に襲われ、呼び捨てにしたことすら気づいていない俺。

 血の気のひいた顔のまま、ベンチに座る美心を見つめてしまう。


「フリーオメガ? 私がですか?」

「美心は誰とも(つが)ってないんだよね?」

「えっ?」

「次のヒートはいつ? 薬はちゃんと飲んでる? フリーオメガがアルファ学園にいたら……」


 美心が、大量のオメガフェロモンを放ってしまったら……

 学園の全生徒に、襲われてしまうかもしれない!

 番を解消された俺だけは、美心のフェロモンに惑わされることはないと思うけど……