α様は毒甘な恋がしたい



 ――ない。

 ――新たな噛み跡なんて、どこにも。


 美心が意識不明になり、首を噛むのを躊躇したということだろうか?



 俺の心臓が辺りが、ほわっと温かくなっていく。

 よかったぁ。

 美心まだは、誰のものにもなっていなんだ。


「わっ私の髪を急にっ触って、ななっ何をしているんですか?」


 恥ずかし気に声を上げた美心。

 ベンチに座りながら、慌てるように後ろを振り向いた。

 腰まで伸びるストレート髪が、体のひねりにつられ宙を舞い。

 踊り静まるよう、定位置に垂れ下がる。

 
 美心の髪ってほんと、艶があって綺麗だよね。

 番関係のままだったら、確実に今、色気をまとった美心のオメガフェロモンにやられていただろうな……って。