α様は毒甘な恋がしたい


「戒璃くんのこと、いろいろ教えて欲しいな」


 大好きな天使に微笑まれ


「どこに住んでるの? 隣の市あたり?」


 美心の指が、沈む夕日の方をさした瞬間


「……えっ、住んでいるところ?」


 俺の頭の中が、真っ白になってしまったんだ。



 だって幸せにつかりすぎて、完全に忘れていたから。


 ――今日中に、地球を破壊をしなければ!


 地球に降り立つ俺が背負う、破壊神としての絶対的使命を。




 どうしよう……

 美心を好きになったせいで地球を破壊しなかったとバレたら、美心がルキに殺されてしまう……


 残虐な前・破壊神の性格を思い出し

 『やっぱり俺は、美心と番になれない!』

 愛おしい子を公園に残し、恋心も置き去りにして、俺は逃げ去った。



 あれから2年半。

 またこうして、美心と公園のベンチでシャボン玉を吹くことになるとはな……

 ベンチに座りながら、過去の罪から意識を現在に戻す。


 他人以上に開いている二人の距離が、せつなくて。

 俺はベンチの空席を眺め、ため息をはぁー。

 無言という重ぐるしい空気を消ちらすにはと、今日が初対面と装い微笑んだ。