俺の脳はこの時、初恋麻痺だったんだと思う。
「好き」の感情に支配され。
美心のオメガフェロモンにやられ。
もっともっと美心に好きになってもらうためには……
美心に送る視線は全て、バニラアイスみたいな甘々トロトロじゃないと気が済まないほどに。
離れたところにいる子供たちが飛ばした、たくさんのシャボン玉たち。
寒空を舞い踊るように煌めき。
まるで俺たちが運命の番だと証明するかのよう。
それぞれの左手の薬指に、奇跡のごとくくっついた。
――結婚指輪みたいだな。
そう思ったのは俺だけじゃなくて
「おそろいだね」
美心は瞳を揺らしながら、恥ずかしそうにニコッ。
――愛おしい人が俺だけを見つめてくれるのって、こんなに幸せなことだったんだな。
俺は王子様スマイルを浮かべ、美心の未来を縛るプロポーズを奏でた。
「いつかお互いの左手の薬指に、シャボン玉みたいに輝くキラキラな指輪をはめようね」と。



