α様は毒甘な恋がしたい


 「キスされるかと思ったでしょ」

 「顔……近づけてくるんだもん……」

 「ダーメ。俺から目をそらさないの」

 「だって……」

 「恥ずかしそうに揺れる瞳で、俺だけを見つめて欲しいんだけどな」

 「こっこんな至近距離で見つめられるとか……ほんと無理で……」

 「どうして?」

 「どうしてって……」

 「ちゃんと言葉にして」

 「戒璃くんの笑顔が優しすぎだし……声が甘すぎだし……」

 「美心の瞳もハートも鼓膜も、ドロッドロに溶けちゃえばいいのに」

 「ズルいよ……」

 「なんのこと?」

 「極端すぎるギャップが……さっきまで、地球を侵略しに来た魔王様みたいな怖い顔をしてたのに……」

 「フフフ、鋭すぎ」

 「えっ? 戒璃くんって魔王様なの?」

 「アハハ、そんなわけないでしょ」