α様は毒甘な恋がしたい



 水も滴るいい男だと思う。

 ワル臭やワイルドさが漂うイケメンなのも認める。



 コンサートって言ってたし……


「ミュージシャン……だったりしますか?」

「はぁ? おっ俺様を知らないだぁ?」



 両手をぶん回すくらい、不機嫌にならなくても。

 血管切れないかなぁ。

 噴水のなかで倒れられても、すぐには救急車を呼べないよ。



「こんなイケメンが映った時点で、テレビに釘付けだよな?!」

「……うーん」


「俺様の顔が一生脳に焼き付くぐらい、心を奪われるよな?!」

「……うーん」


「はいと言え!」

「いっ、痛ぁ……」



 私のおでこに拳をグリグリねじ込まれながら、怒鳴られちゃいましたけど。

 おっとりと微笑む戒璃くん以外に、心を奪われたことはないんです。

 なんて正直に言ったら、この噴水の水が蒸発しちゃうくらい怒りの炎を燃えたぎらせそう。