α様は毒甘な恋がしたい



 ベンチに座り、俺に頭を下げる美心。

 他人のために、こんな必死になれる人間がいるんだ。

 いつの間にか俺は、清い心を持った美心から目が離せなくなっていた。

 
 こんなに優しい子、好きにならない男子なんてこの世にいないと思う。

 美心に心が奪われてしまった自分を、正当化させるための言い訳にすぎないが。

 頭の中で『好き、好き』と無駄にリピートしてしまう自分が、恥ずかしくて、なんか心臓辺りがくすぐったい。



 人生で初めて、俺は恋をした。
 
 舞い散る枯れ落ち葉すら、キラキラと光って見える15歳のクリスマス。

 自分が吐く息が、ピンクに染まっているような……

 体中を流れる血液が沸騰して、顔が燃えてないかな?

 そんな心配をしてしまうのも、初めてだ。