α様は毒甘な恋がしたい



 「あのね! 俺はね!」

 「きょっ今日だけでいいんです。あと1時間くらいでいいんです」

 「だから!」

 「お願いですから、今日だけはこの公園で、あの子たちの好きなように遊ばせてもらえませんか?」

 「ねぇ、なんでそこまで頑固なの?」


 普通、キレている人がいたら近寄らないでしょ?

 関わらないようにしようと思うのが、健全な防衛本能だと思うけど。


 「辛さをごまかしてあげたいんです、私」

 「辛さ?  誰の?」

 「親のいないあの子たちにとってクリスマスは、隠れて泣いてしまうほど、残酷なイベントだったりするので」



 ……えっ?

 ……親が……いない?



 さすがに固まった。

 俺の表情も。

 全身も。

 思考回路も全部。



「オメガというだけで、親に捨てられちゃったんです。あの子たちも、私も……」